• 立木貴也

張る、張らない②

最終更新: 10月13日

古代からその音色は「天から差し込む光」を表すとされている。

笙奏者は常に考え、注意深く音を紡いでいく必要があるが、

とにかくダーダーと必要以上に大きく張り上げ、

雑な演奏をしている、雑な演奏になっている人が多い。

天から差し込む光とほど遠い下品な音色・演奏である。


大きな音で吹くこと自体は、

時と場合によっては重要になってくるが、

より張り方に注意する必要がある。

また極端に強くしたり弱くしたりすることは、

笙の演奏においてはナンセンスであり避けるべきことである。

ただし舞楽の演奏においては、

その様に演奏した方が落差によってリズム感が出て、

曲が活き活きしてくる等、

効果的な場合もあるということを付け加えておく。


最初に述べた”雑な演奏”とは何か。

それは篳篥の旋律フレーズを無視し、不必要な箇所で強く張ったりすることである。

では”良い演奏”とは何だろうか?

あくまでも持論に過ぎないが、

普段は縁の下の力持ちで裏方に徹し、

要所要所で存在感を出し、曲の流れを作る演奏である。


その”要所”とは何処か。

それが主旋律である篳篥の旋律フレーズの区切れ目である。

このフレーズの区切れ目、インジャの間を美しく描くことができ、

如何に主旋律の篳篥や龍笛に上手くバトンを渡すことができるか。

これがポイントになってくる。

次回はお馴染みの平調・越殿楽を用いて具体的に解説していく。


-続-

張る、張らない② 2020.8.21







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